レンタルな関係。
ときどき相槌を打ちながら聞いていた流川。
「ふ~ん。そう」
ふ~んって。
そう、って。
まったく。
この男は。
「で、俺の番号GETして、かけてきて、何の用だ、俺に」
「…え゛?」
何か…
いつもの流川だ、これ。
「用って… その」
「声が聞きたくなったのは分かった。で?」
「アンタって人は… どこまで俺様…」
「は?」
「あ、いや、その」
「もう一時過ぎてるぞ。何なんだよ」
「あ」
そうだ、そうだよ!
最終電車!
行っちゃうし!
「あのあのあのっ」
「なんだ」
「電車、行っちゃう!」
「はあ? 乗ればいいじゃん」
「足! 足が動かないの!」
「…何言ってんの、お前」
「フラフラするし、お酒飲んだら、気持ち悪いしっ」
「酒って… オネエマンにでも飲まされたか」
「踊り狂った私が悪いんだけど」
「踊り… 何やってんだよ、お前は」
思わず立ち上がりながら携帯を耳に当てているけれど。
ふわ~ん…
興奮と緊張と心配とで…
やっぱりフラフラで。
頭まで痛くなってきたし…
「はあぁぁ…」
ため息とともに腰を下ろす長椅子。
「ぐぐぐ…んごっ」
「……」
駅を行く人はまばらになってきて。
寝込んだおじさんと私だけ、変な空間に取り残されてる感じ。
「ううう… 何やってんだ私。ホントに」
情けなくなってつぶやけば。
「相変わらず、アホだな」
ぷっと、流川。
この~~~
私の緊張を返せっっ!!