レンタルな関係。

「流川さ、」

「あ?」

「ちゃんと…寝たんでしょ?」

「ああ?」

「へ、変なことしてないよね、私に」

「…してねーって」

「…なら、いいんだけど」


 ま、流川のことだから。

 ホントになにもしてないはずだけど。


「じゃあ、なんでそんなに眠そうなの?」


 寝たんなら。

 そこまであくびしないでしょ。


「ホントに寝たの?」


 聞けば。


「一時間くらいな」


 は?


「一時間?」

「ああ」


 一時間って。


「なんでそれしか寝てないわけ?」


 それじゃあ、眠いはずだ。

 今朝だって、私より先に起きてるわけだし。


 眉間に皺を寄せた流川は。


「…寝れるわけねーだろ」


 言って。

 まったく…って感じにため息をつく。


「寝れるわけないって…なんで?」

「別に」

「別にって。あ…エッチなテレビでも見てたんでしょ」

「…見てねーし」


 あきれ顔。


「じゃあ、なんで?」

「しつこいな、お前も」

「だって。気になるもん。私、全然記憶ないし」


 まさか…

 やっぱり私に変なことしてたんじゃ…


「…幸せだな、お前」

「へ?」


 流川は。

 あきれ顔のまま苦笑した。




< 264 / 314 >

この作品をシェア

pagetop