レンタルな関係。
「爆睡しやがって」
「…だって。かなり疲れてたし」
「いきなり脱ぎだしやがって」
「…お、憶えてないし」
「布団かけてやろうとしたら…」
「?」
「抱きついてきやがって」
「………」
…え?
「だ…?」
「カエル、とか言ってよ」
「か…?」
「俺はカエルじゃねーっつうの」
だ、だ、だき…抱きついた?
私が?
流川に?
「う…ウソ…」
あの格好で?
マジで?
「ふ…不覚…」
なにやってんだ、私っ!
恥ずかしいっっ。
しかもカエルって。
流川をカエルって。
間違えるにも…程がある。
「なにが不覚だ。おかげでこっちは…」
言いかけた流川は。
はっとしたように。
「ふん」
私から顔をそむけて。
「??」
ん?
なんだこれ?
「流川?」
水しぶきで光る髪。
その下の耳。
「赤いよ?」
ほんのり色づいてて。
「うるせーな」
いや、赤いよって言っただけですけど?
唇をとがらせた流川の顔は。
ありゃ?
ありゃりゃ?
「ほっぺも赤くなってきたけど…大丈夫? 熱あるんじゃない?」
珍しいな、流川の赤い顔。
「暑いだけだ。気にすんな」
つっけんどんに返ってくる言葉。
「……」
「……」
もしかして…
え?
もしかして?
この態度…