レンタルな関係。

「流川?」

「なんだよ」

「なんか照れてない?」

「は?」


 目を大きくした流川は、なんだか焦ってて。


「なんで俺が照れんだよ」


 あっちのほうを向いちゃって。


 ぷ。

 そうだよね?


「寝れなかったってさ、」

「……」

「なんで?」

「しつこい」

「なんで?」

「いちいち聞くな」

「なんでなんでなんで?」


 からかってるわけじゃないけど。

 
 …いや。

 いつもやられっぱなしだし、私。

 ここでちょっと、やり返してやってもいいんじゃん?


「ねえ、なんで?」


 ますます赤くなる流川は。


「あのなあ…」


 言って。


「あんな格好で抱きついてきて」


 うん。


「なかなか離れねーし。引き剥がすのに苦労したんだぞ」


 うん、う…


「隣りに入ったら今度は…」


 …うん?


「しがみついてくるし」


 ………。


「寝れるわけねーだろ。気になって」


 ………。


「…ぷ」

「なに笑ってんだよ」

「だって」


 やっぱり。

 そうか。


「流川って…」

「あ?」

「なんか、」

「なんだよ」

「可愛いとこもあるんだね」

「…はあ?」


 私の言葉に。

 
「ふんっ」


 また赤くなる。


 ヤバイ。

 もっとからかってやりたい。

 
 移ったな、完璧に。

 俺様流川病。



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