レンタルな関係。

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　夕方過ぎの宝石店の前。

　カエルみてぇな格好で、ショーウインドーにへばり付くオンナ。


　たまたま通りかかったその店の前で、

　コイツを見かけるようになったのは春先のことだ。

　

　店員の訝しげな表情に気づいてないのか、このオンナ。

　初めて見かけた時には、その様子にあきれて苦笑するしかなかった。

　
　次に見かけた時も、同じ格好をしていたコイツは、食い入るように何かを凝視していた。

　一体なにを見ているのかと、後ろから覗き込んでみたのだが。


　視線の先には種類のわからねぇピンク色のピアス。

　
　俺は石になんて興味はない。

　
　オンナっていうのは、どうしてこう…どうでもいい物を欲しがるのかと鼻で笑ってその場をあとにしたのだが。


　その場所を通るときには、必ずと言っていいほど奇妙な格好の同じオンナがいて。

　いつか俺は、そんなコイツを気にかけるようになっていた。


　
　隣りに立つ友達らしきオンナの背が高いせいもあるのだろうが、

　傍らでガラスにへばり付くカエルみてぇなコイツはやけに小さく見えた。

　
　小さいというより、子どもだ。

　その行動も、顔の作りも、全体の雰囲気も全て。

　
　言いたくねぇが…

　タイプであったことには間違いない。

　口が裂けたって、コイツには言えねーが。