レンタルな関係。
と同時に、全身のチカラが抜けきってしまった私は、
へなへなとその場に座り込んだ。
「おい、そんなとこに座るなよ」
流川が近寄ってきて、しゃがみこむ。
「あ、あんたなんか…」
悔しいやら、ほっとしたやら、なんやらで。
知らず知らずのうちに涙が溢れてきて。
止めようとしても、次から次に涙は零れ落ちる。
「なんだよ。なに泣いてんだよ」
「うるさいっ」
「立てって。風邪ひくぞ」
「び…びっくりしたんだから…」
「あ?」
「へ、変質者かと思って…怖かったんだから…」
ひいっくと咽が鳴って、思うように声が出ない。
雨で濡れた前髪から雫が落ちて、頬を伝う私の涙と合流しては地面に零れ落ちていく。
「とにかく…立てよ。ほら」
道路に傘を置いた流川の腕が私の両脇に伸びてきて。
ぐいっとチカラを込められて、立たされた。
それでも私の足にはチカラが入らなくて。
驚いたのと、走ったのと、濡れて冷えたせいもあって、かくかくと震えている。
流川はそんな私の両脇を支えたままで。
一緒に雨に濡れて、立っていた。
「悪かったよ」
ぼそり、声が降ってくる。
「驚かすつもりなんてなかったんだぜ。お前が濡れてぼんやり歩いてるから傘に入れてやろうとしたまでで。悪かったな、そんなに驚かせて」
そう言った流川は、私を自分の方へ引き寄せた。