レンタルな関係。
胸のなかでフガフガ息をする私のことなんて、完全無視。
時々、「ふっ」なんて、鼻先で笑う声まで聞こえて。
まさか、どさくさに紛れてここで私を襲う気じゃないでしょーね?!
っていうか、どういう趣味なの、あんたっ!
流川の腕は、ゆるんだり、強くなったりを繰り返す。
バスタオルにすっかりぐるぐる巻きにされてる私は、はねのけることさえできず、されっぱなしで。
それでも……
うっすら雨に濡れてる流川のTシャツの胸は温かくて。
次第にぼんやりしてくる頭の奥…
「ふぁ…」
たまらず息を吐き出せば。
「なに、ぼんやりしちゃってんの?」
肩をつかんで私を解放した流川に顔を覗き込まれ。
「な、なにすんのよ…っ」
恥ずかしくなって声を荒げれば。
「お前まさか、抱き締められてうっとりしたんじゃないだろーな」
ニヤリと笑う流川。
「っ…ち、違うしっ」
絡まったままのバスタオル。
この格好でいくら反抗しても……
なんだか私、マヌケです。
「俺が興奮して抱き締めたとでも思ったんだろ?」
近寄る流川の顔に。
「や…違うもんっ。っていうか、そうなんでしょ?! どさくさに紛れて、私を襲おうとして……」
「この俺が、お前なんかに興奮するかってーの」
「……は?」
「しぼり出してやったまでだ」
「し……?」
「雨水をな」
ガーン……
頭、打たれた気分…