レンタルな関係。
 
「素直じゃん」


 
流川の手が。

 
頬に触れる。

 
どきっとして顔を見上げれば。



「契約しようか?」


 
いきなりの意味不明発言。



「契約? は?」


「お前、俺のことレンタルしろよ」


 
はいぃ?

 
アンタも夏の暑さで、頭、やられましたか??



「なにそれ」


「俺は、この部屋をレンタルしてる。この部屋を使う権利はあるってことだ。なのにお前に追い出された」


「はあ…」


「で、だ。俺がここを使う代わりに、お前も俺をレンタルする」


「い、意味が…」


「ここにいる間、お前のボディーガードでもやってやるよ」


「は?」


「交換条件だ。それで文句ないだろ」


 
え~と……

 
こういうことでしょうか?

 
流川がこの部屋をレンタルする。

 
私は流川をレンタルする。

 
はい、これで平等…ってことでしょうか?



「それで決まりだ」


「ちょっと…」


「文句あるか?」


 
文句…いっぱいありますよっ。

 
あるけどっ。


 
「つけてきたヤツに、顔、覚えられたかもしれないぜ?」


「う…」


 
ず、ずるいぞ、流川直人っ!!!


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