レンタルな関係。

「ぶぇぇぇ…っくしょんっ」


 
何だか寒気がして、自分でも驚くほどでっかいくしゃみが出た。

 
自分のくしゃみで起きるなんて、初めてだよ…なに、今のひどいくしゃみ。

 
要くんがいなくて良かったぁ…



「ひっでーくしゃみだな」


「!!!」


 
え?! 要くん?

 
いるの??!!



「寝すぎだ、お前。もう6時だぞ」


「へ? ほえ?」


「いい加減起きろ」


 
ソファの上から、私を見下ろしていたのは…

 
なんだよ… 流川じゃん。



「あ、アンタ…」


「俺はアンタじゃなくて、」


「流川」


 
ふふふん、どうだ。

 
流川、もうアンタの次のセリフは覚えたぞ。

 
少し得意げになって寝転がったまま見上げていると。



「ふん。早く起きろ。カラダ腐るぞ」


 
ちょっと負けた、みたいな表情で床に座る流川。

 
へへん。

 
いつまでも訂正されっぱなしじゃないもんねー。

 
アンタの突然の登場にも、もうそんなに驚かなくなったもんねー。



「よいしょ」


 
カラダを起こすと。

 
ん? 毛布?

 
そのまま眠ってしまった私のカラダには、なぜか毛布がかけられていて。

 
 
ありゃ?

 
もしかして、コイツですか?

 
 
なんだよ。

 
結構優しいとこ、あるんじゃん。



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