秘密警察は、ヤンキー少女と天然超能力者の上でドSに微笑むの知っているか?
「あら、早かったのね。」
青座蔵組から少し離れた所の路地裏で待っていたのは深愛だった。
「それじゃあ帰りましょ。」
「あれ……車は?」
来た時は、鈴白さんが軽で連れきたんだ。
だから停めた所じゃない路地裏に来たからどーするんだよ、って思ってたんだけどさ。
あ、もしかしてバイクとかあるのか、と思いキョロキョロ見渡すが、見当たらない。
「あら、鈴白さん。良かったのよね?」
「ああ、手間が省けるし、信じるだろーよ。」
「さ、茉莉ちゃん。深愛さんと手を繋いで。」
……手?
「はい、どーぞ。」
困惑している俺にどーぞ、と右手を差し出してきた深愛。
は!もしかして……深愛はこう見えてすごい握力が強くて
「手を……繋いだ瞬間握りつぶされるのか……?」
「うふふ、馬鹿言ってるんじゃないわよ。まさか気づいてる?気づいているの?」
深愛の顔が強ばる。
つーか、笑ってるけど全然笑ってねー。
って事は
「事実だったのか?!」
「馬鹿、ちげーよ。……こういうことだ。」
鈴白さんは俺の手を掴んで、深愛さんの……ってええええ……?!
「玉が……ある……。」
「でかい声で言うんじゃないわよ。鈴白さんもそういう種明かしする?
あーあ、いやだわ、イケメンでもデリカシーが無かったらアウトよ、アウト。」
俺は驚きを隠せなかったよ。
あんなに綺麗なお姉さんだった深愛が……
「深愛、オカ……」
「オカマって言おうとした?言ったら殺すわよ。ニューハーフとお呼び。」
どう違うのか分からないが了解した。
だってさ、うふふふ、と言うけどやっぱり目が殺気立っているんだぜ。
「はい、手をどーぞ。別に握りつぶさないから。」
「お、おう……。」
おそるおそる俺は手を繋いだ。
俺の左手には深愛の右手。
そしてぎゅっ、と俺の右手を掴んだのは庵。
それで、深愛の左手には鈴白さんの手が。
これはもしや……
「マイムマイムをするのか?」
※キャンプファイヤーの時のフォークダンスです。
「ねえ……この子残念よ。」
「発想が可愛いよね。」
「落ち着け庵。これは病的な程に馬鹿だ。……っていうか麗佳の血をかなり継いでるんだろーな。」
「……こいつら物凄く失礼じゃね?」