秘密警察は、ヤンキー少女と天然超能力者の上でドSに微笑むの知っているか?
「でも茉莉ちゃん、驚かないのね。私だったら失神するわ。」
感心感心、という深愛。
いや、だってさ。
「いや、沙悟浄の奴とか見てたし……それに魔法使いっているって分かってたし……。」
「うん、今の発言は聞かなかった事にしてあげるわ。」
なんでだよ!
「ん……?じゃあさじゃあさ、あの男……風の男もアサユキ……なんだな?」
風を操る超能力者って事だよな?
「そうだ。ついでに庵もアサユキだし、お前の父さんもアサユキだ。」
「……は?」
庵がアサユキの後、
俺の父さんって、言った?
「あら、流石にフリーズしたわ。おーい、茉莉ちゃん。」
ブンブン、と俺の目の前で手を振る。
「マジか……?」
「マジだ。」
「マジなのか?」
「マジなのだ。」
「マ「しつこい。事実だ。」」
だって!信じられないだろ!!
俺の父さんが……アサユキ、つまりは超能力をもってるんだぜ?
「何のアサユキなんだ?」
「“魅惑”だ。」
魅惑……。
俺の父さん、ぶっちゃけ魅惑の欠片もないと思う。
ただのおっさんだぞ。
母さんなら分かるけど、父さんが?
「納得いかないって顔してるな。」
「だって、俺、魅惑のミの字も感じないぜ?」
「俺は凄い格好いいと思うけどなぁー。昴さん、永遠の憧れだよ。」
あ、ちなみに昴(すばる)ってのがうちの父さんの名前。
桐生 昴(きりゅう すばる)さん、45歳、3人の息子を育てるシングルファザーになったお方。
でも、なぁ……。
あの父さんが?
あの食事は苺ジャムサンド、新聞は難しくて読めない、母さんと離婚する前は毎日のように一番上の兄ちゃんに怒られてた父さんがだぞ?
「信じられないようならもう一つ事実を教えてやる。
お前が“魅惑”を感じないのは、お前自身が“魅惑”の継承者だからだ。」
「…………俺?」
望月茉莉15歳。
冥界の掃除人と呼ばれ恐れられて来ましたが、
とうとう頭がフリーズしたようです。