秘密警察は、ヤンキー少女と天然超能力者の上でドSに微笑むの知っているか?
遙の異名は、“死神王子”。
由来はな、
“王子”は、女の子を魅了するセンレンされた綺麗さ。
“死神”は、喧嘩や強い人が好きで、片っ端から喧嘩をふっかけてたらついたらしい。
そんな遙が強い奴だらけの海坂にいったら……それはもう、死神降臨だな。
そんなこんなで俺達は海坂中へ向かう。
海坂中は、西門中の校区にある。
あれだ。
どっちか好きな方選べますっつったら、まさかのどっちも強豪ヤンキー高校だったパティーンだ。
ちなみに校舎の外見は、余裕で海坂の方が荒れてる。
校舎を囲む石垣には、たくさんの《喧嘩上等》の文字が並ぶ。
海坂には、代々番長がそこに《喧嘩上等》を書くっつーシキタリがあるらしい。
ちなみに、何個目かに俺の2番目の兄ちゃんの文字があったりして。
んで、今のところ一番近くにある文字……
でもって一番綺麗な文字。
それが元海坂番長、杉島 かぐらの文字だったりする。
「……やっぱ字は人を表すよね。かぐらちゃんとか、繊細なのが出てるっていうか。」
遙がぼそっとそう言った。
かぐらちゃんは、趣味は料理に茶華道、特技は裁縫に日舞っつー超おしとやかな乙女の癖に、
海坂の番長になった、面白い奴。
まぁ、番長なだけあって強いんだけど、超可愛くていつもにやけてしまう。
「おい……西門の……!冥界の掃除人だ!」
「また喧嘩でもすんのか?」
敷地内に入った途端に、多くの視線に晒された。
しかも、めっっっちゃ睨まれてるんだ。
「はー……もういいや、かぐらちゃんで癒されよ。」
「茉莉、分かってる?お礼参りだよ……?」
「遙任せた。俺、かぐらちゃんで遊ぶんだ。」
はいはい、と遙。
そうしてたどり着いた一室。
《美術室》と書いてあるここが、海坂ヤンキースの居場所だって事は分かってる。
「かーぐらちゃん、遊びましょ。」
そうして俺はその門をくぐった。