22時、コンビニで
職場では、哀しい気持ちを抱えながら、山積みの仕事をこなした。



今夜も終電で帰路についた。自分を慰めるため、帰りにコンビニに寄った。



疲れた時にはこれがいちばん…と、スイーツを手にした。いつもは、自分のしか買わないけれど、今日はふたつ。



ひとつは、明日のなっちゃんのおやつに…と手に取った。



「いらっしゃいませ」



バイトの店員が、渋い声で言った。ふと、名札に目がいった。



『あきた』



ひらがなで書かれた名前に最初はピンとこなかったが、スマホの着信画面が頭に浮かんだ。



『秋田裕信』



なっちゃんは、ここのコンビニでパートをしている。



まさか…な?



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