あなたのために。-光と影-
「…ん、…」
幸せな光景を見て、目を覚ました。
そうだ。私はまた昼間に眠くなって、寝ちゃったんだ。
そしてまた昨日のようにベッドに寝かされていた。
でも昨日と違うのは、さっきまで誰かに抱き締められていたような感覚が残っているということ。
もしかして奴が?
そんなわけないよね。
きっと幸せな夢を見ていたから、そんな感覚に陥っただけ。
きっとそうだ。
辺りを見回すと、窓の外はまだオレンジ色で日が沈んでいないことが分かる。
昨日はもう少し遅い時間に起きたのに。
もう眠れなくて起きちゃったのかな?
なんて思いながらもベッドから起き上がり、居間へと足を運ぶ。
まだ夜ではないせいか、奴のいる気配がしない。
でも一応全ての部屋を開けて確認する。
やっぱり奴はどこにもいなかった。
きっと極道の仕事にでもしに行ったんだ。
夜の仕事ってやつか。