あなたのために。-光と影-
店の入り口に着くと、既にNo.2の真姫とNo.3の梓が端に並んで立っていた。
私に目線を一瞬向けると、2人はまた前を向いた。
私は2人には目もくれずにNo.2・真姫の隣に並ぶ。
2人のドレスはかなり手が込んでいる。
No.2の真姫は真っ赤な薔薇を散らしたようなレースの激しいドレス。
もちろん露出も激しい。
No.3の梓は薄い黄色のフリルのついた清楚系のドレス。
真姫とは正反対の容姿だけに、ドレスも正反対。
露出も真姫に比べれば多くない。
でも2人の気合が入っているのは一目瞭然。
どうせ奴狙いなんだろう。
すぐにホテルに行っても大丈夫という顔をしてる。
でも奴は女に興味ない。
奴は臭い香水を付けてチャラチャラ着飾った女が嫌いだ。
そんなことを考えていると、店の入り口がゆっくりと開く。
ドアを開けたボーイがドアを抑えて端へ寄る。
入り口の向こうには多数の男が颯爽と立っていた。
ドアが完全に開くと奴等は革靴を音をたてて入ってくる。
ボーイに続いて入ってきた奴に私は睨むような鋭い目線を送る。
そう、奴が私の復讐する相手。
黒髪を肩につくくらいに伸ばし、赤茶色の切れ長な目をしてる。