あなたのために。-光と影-
「奴は関東一の極道一家。
色恋沙汰でこんなちっぽけな騒動に首突っ込むわけないでしょ。
あなたみたいなドブネズミ女、奴は見ようともしないわよ」
「黙れぇぇ!!」
「ゔっ!」
真姫を挑発すると真姫の怒りが沸点を超え、怒りを露わにした。
そして真姫は私の髪を掴んだまま、私の顔をコンクリートの地面に叩きつけた。
私はどうすることも出来ずに、地面に叩きつけられる。
頬がジンジン痛む。口の中も血の味がする。
「殺して!今すぐこいつを殺して!
ズッタズッタのギッタギッタに!」
「人質殺したら意味な「いいから黙って殺せ!」
冷酷男が冷静に真姫を止めようとしたけど、全身が怒りで沸騰した真姫には通じない。
前も真姫が店の子とトラブルになった時これくらい怒ったことがあり、確か店のグラスが全部割られた気がする。
怒らせたのは私だけど、真姫の言葉に胸の鼓動が高鳴った。
真姫の言葉や態度はいつもムカついたけど、今回は嬉しかった。
だって……
「私を殺してくれるの?」
「…そうよ……ってアンタ…」
怒っていた真姫が私を見ると、あり得ないものを見るような青ざめた表情を浮かべた。
男二人も真姫と同じように青ざめている。
震える口をゆっくりと開き、真姫は言葉を発した。