あなたのために。-光と影-




そんなこと?
そんなことであなた達は青ざめているの?




だって死ねるんだよ?
こんな生きてる価値もない世界から、いなくなれるんだよ?




こんな嬉しいことはないでしょ。




ずっと苦しかった。
嫌なことをお金のためにやって、心を鬼にして生きていくことが。




それも死ねば解放されるでしょ?




ずっと探してた。
私を殺してくれる人を。




よりによって最悪の相手になってしまったけど、私を殺してくれるのなら誰だって構わない。




両親の自殺から始まって兄の狂変、お金のために何度も体を汚し、その果てに復讐相手に軟禁。




そんな反吐の出る人生を送るなら、死んだほうがマシ。




「…私を殺してくれるんでしょ?
だったら早く殺してよ。
痛くしてもいい、切り刻んでもいいから私を殺して」


「あ、アンタ頭おかしいんじゃないの…」




ねぇ。
どうして私がわざわざ殺されようと近付いてるのに、真姫は後ろに下がっていくの?




早く私を殺して。
この汚れた人生に終止符を打ってよ。




拘束された手足を使って寝そべったまま、真姫に近付く。




「…っ!こっち来んな!」




髪をまた掴まれ、思いっきり壁に投げつけられた。
頭が勢いよく壁にぶつかり、また地面に倒れる。




あぁ、痛い。
私まだ生きてるんだ。




意識が朦朧とする中、首元から金属音が聞こえた。




虚ろな黒目をゆっくりと首元に向けると、私の首には見覚えのないネックレスがついていた。




これは……私の好きな黒百合の花を象ったネックレス…?




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