あなたのために。-光と影-
『…お姉ちゃん。小夜お姉ちゃん』
『いつもお見舞いありがとう。
私、小夜ちゃんみたいな人が姉で良かった』
『環から聞いてるよ?
小夜ちゃん、体無理して稼いでるって。
私のためにしてくれるのは嬉しいけど、無理はしないで。
小夜ちゃんがいなくなるのが一番嫌なの』
……日向。
私の頭に思い浮かんだのは、日向の笑顔。
そうだ。
私は日向を守り抜かないといけないんだ。
お母さんとお父さんと約束したじゃない。
『何かあったら、日向を守る』って。
それなのに日向よりも先に消えてどうするの。
決めたじゃない。
日向のために自分が汚れて生きていくって。
日向を残して消えることなんか出来ない。
私はまだ生きないといけないんだ。
これが私の"後悔"?
そう気がつくと、私の手は自然と奴の手に添えられていた。