あなたのために。-光と影-




「…風間さん胸ポケットから手を離してください。
じゃないと蓮条楓に風間さんに撃たれそうになったって言いますよ?


環も落ち着いて。
ここで単独でやりあって、篠や弥生やみんなに迷惑と心配かけるつもり?」




冷静にそれぞれの目を見ながら言えば、二人は何も言えずに冷戦状態を解いてくれた。




内心私が前に出たところで変わらなかったらどうしようかと思ったけど、理解のある二人でホッとひとまず安心する。




そして私は二人にそれぞれ説明をした。




風間さんには環が中学の頃からの腐れ縁である友人であること、環が総長を勤める紅蓮のみんなとも交流があること。




環には真姫に殺されそうになったところを蓮条楓に助けられ、自分に何もなくなったら蓮条楓に殺されるという契約をしたこと、それによって何故か蓮条楓の正妻となってしまったことをそれぞれに説明した。




蓮条楓に告白されたと聞いたときの環のアホ顔は間抜けすぎて、真剣な話をしているのに笑ってしまった。




二人は落ち着いて話を聞いてくれて、とりあえずさっきみたいにやりあう一歩手前にはならない…と思う。




だってまだ二人とも腑に落ちないような表情をしているから、まだ確信はできない。




風間さんに至ってはグラサンしてるから表情が分かりづらいし。




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