あなたのために。-光と影-
殺せないのなら
幸せだった生活にヒビが入ったのは10歳。
お父さんが残した多額の借金を返すためだと兄に体を汚されたのは12歳。
何もかもを失ってママに拾われたのは13歳。
絶対に私の大切な家族を滅茶苦茶にした蓮条穣之介(あいつ)を殺して復讐してやる。
そう決めてママのクラブでNo.1を目指したのは14歳。
No.1になって復讐の準備が全て整ったのは16歳。
そして楓と出会い、何故か楓に愛されてしまった。
それでも構わなかった。
いつか蓮条穣之介(あいつ)を殺せるのなら、と。
そのチャンスがやって来たと思った。
でもそれはすぐに私を奈落の底へと突き落として終わってしまった。
お父さんの親友?
お父さんを助けようとした?
どうしてそんな復讐させないようなことを言うの?
決め手は奴のあの目。