あなたのために。-光と影-
バタン。
「…小夜。もう三日経つ」
寝室のドアが開いてうるさいのが帰ってきた。
ほっといてよ。
三日間飲まず食わずでいようがあなたには関係ないでしょ?
別にあなたに迷惑かけてるわけじゃないし。
そう言ってやる元気もなくてベッドの上で寝返りを打って楓に背中を向ける。
ベッドが重みによって沈む音がしたと思ったら、奴にギプスのついた腕を触られた。
「…痩せたな」
当たり前でしょ?
この三日間何も食べてないんだから。
ほんと何しに来たの、こいつ。
「……用がないなら出てって。一人にして」
出ていかないのなら寝たフリでもして何も言わせずに出ていかせようか。