あなたのために。-光と影-
楓を好きになったと自覚して早くも数日が経った。
最近は楓とまともに話ができなかったり、目を合わすこともできない。
ほんとどうしちゃったんだろう、私。
こうして寝顔はずっと見てられるのに。
……ずっと!?何言ってんの私!
そしてなぜ楓の頬を触ろうと手を伸ばしてるの!?
もう自分で自分が分からなくなってる。
そして分からなくなってるのは私だけじゃなかった。
「…、小夜……」
「……っ」
寝言かと思うけど、私を引き寄せて腰から背骨に沿って撫でてくるからこれは起きてる証拠。
「ねぇ、起きてんなら離して」
「………」
「っ!ちょ、ちょっと……!」
私を抱き締める腕に力を込めて、胸元に顔を埋めてきた奴。