あなたのために。-光と影-




どんな先生なんだろうと想像を膨らませていると、ドアをノックして白兎がお茶を持って入ってきた。




「小夜さん、華代お茶が入りました」


「あ、ありがとう」




白兎から温かい紅茶をもらい、口に含む。




白兎は料理を作るのも上手いし、いつも淹れてくれる紅茶も美味しい。




華代さんはコーヒーに砂糖とミルクを入れるなと白兎に文句言ってるけど。




白兎から前に聞いたのは華代さんはブラックコーヒーが飲めないのに、白兎以外の人の前では大人ぶってブラックを出すように言ってくるのだとか。




無理をして背伸びをしている華代さんがかわいく見えるのは、私だけじゃないはず。




未だに言い合っている二人の左手の薬指には同じ指輪が輝いていた。




そういえば二人は夫婦なんだよね。
顔を合わせるたびに言い争いしてるけど、どうやって結婚までいったんだろう。




結婚するまでの経緯を聞こうと思ったら、白兎を見て思い出したことがあった。




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