あなたのために。-光と影-
復讐の果て
勢いよく振り返る。
そこにはいる筈のない、いてはならない人がいた。
「…蓮条……楓…」
何でここにいる?しかも私が殺すことを知っていた。
この計画は環しか知らない。
環が簡単に口を割るとは思えない。
じゃあ、何で?
私はただ目を見開くことしかできない。
そんな私を見て奴の口角が上がる。
「…極道として生きてたからな。これから死ぬ奴、誰かを殺す奴は目を見れば分かる。お前は一目見た時から俺を殺す目をしてたからな、いつ殺すのか様子を伺ってた」
何その特殊能力みたいなのは…
そんなの有り?
驚いてる私を他所に、奴はゆっくりと私に近づいてくる。
反射的に右手に持っていた物を背中に隠し、後ずさる。
でも後ろは調理台で、これ以上は下がれなかった。
奴が目の前まで迫ってきて、毒を持っている右手首を掴んで前に出させた。
「…俺に毒を盛って殺そうとした、俺がそう言えばお前はどうなるだろうな?」
私がどうなるかなんて覚悟してきたんだから、自分が一番よく知っている。
それを態と聞いてきて、奴は環に性格が似てるのか。
でも奴の場合、環とはちょっと違う。
自分が分かってることを態と聞いてくる。
それはきっと…
条件を提示するということ。
俺に黙っていて欲しいなら言うことを聞け、大方そう言うことだろう。