あなたのために。-光と影-
私を抱くのなら私はお金を要求する。
これが私のやり方。
売春婦と思われても構わない。
汚い奴だと思われても構わない。
ただ私にはお金が必要だから。
お金を手に入れるためにはこれしか方法がないから。
キャバクラで稼いだお金だけでは足りないくらいお金が必要。
だから私はキャバクラとは別に抱かれる時はお金を貰う。
一時期はセフレを作った時もあった。
でも奴等はお金を一括で払って私を抱いていたから、取り消した。
ヤったあとにお金を貰って、稼ぐためにヤったという証拠が欲しかったから。
ほんとは抱かれるのは好きな人だけがいい。
私を心底愛してくれて、大切にしてくれる、そんな人に抱かれたい。
でもお金のためを考えるとそんなこと言ってられない。
しばらく驚いていた奴の口角がゆっくりと上がった。
「…金を払えば俺に抱かれるのなら、それ相応の金を用意する」
これを言われれば文句はない。
奴は極道一家の若頭、お金なら余るほどある筈だ。
奴に感じているようにして喘ぎ声を出せば、奴だって満足だろう。
「…分かった、乗るわその話」