あなたのために。-光と影-
部屋を出る間際に環と目が合った。
環は驚きつつも心配そうに私を見ている。
ごめんね、環。
奴に最初から気付かれてた。
折角あなたが命を懸けてくれたのに、こんなことになってしまって。
また明日、謝りに行くから何か奢らせて。
私の考えていることが分かるという、環の性分を使って目で伝える。
そして最後に口パクで「大丈夫」と呟いた。
勿論、奴には見られていない。
見られていたら環がグルだと思われていただろう。
これで大切なものを守れた、そう思うと何だかホッとした。
それから外に用意されていた黒い車に押し込まれ、蓮条組の縄張りと思われるマンションに連れて来られた。
そして手首を掴まれたままエレベーターに乗り、13階に連れられ、奴の部屋と思われる所に入った。
入らされるや否や、靴も脱がせてもらえず中に入らされた。
シャワーを浴びさせてと言ったが、無視されそのまま寝室へと連れられベットへと放り投げられた。
私の体重で布団が沈んだ。
すぐに奴は私の上に覆い被さり…