あなたのために。-光と影-




そう言われたすぐに奴は私の唇を奪った。
自らの唇で。




何度も角度を変えて私の唇を啄み、口の中へと入ってくる。




両手がキツく拘束されて、奴の唇を受け止めるしかできない。




それを良しとしたのか、奴は私の顎をクイッと引かせて口を無理矢理開かせた。




そして入ってきたのは奴の舌。
私の逃げ回る舌を追いかけて、絡みとる。




私の歯列を舌でなぞり、私の舌を吸い上げる。
深い口付けだけで、私の身体がさっきの情事よりも疼いてるのが自分で分かった。




何で…いきなりキスするの?
さっきは全くする気なさそうにしてたのに。




何のため?自分のものにするため?
私に分からせるため?
それとも自己満足?




どれにしても奴にいつまでも唇を奪われている訳にはいかない。




私は奴の舌が引いた瞬間に顔を逸らした。
手は拘束されてるから顔を動かして激しいキスを強制終了させた、




だが、奴の攻撃はこれだけで終わる筈がなかった。



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