あなたのために。-光と影-
全身の力が抜けていく。
必死になって止めても奴の唇は胸元へと下りていく。
両胸の間に痛みを走らせた後、奴は顔を上げて私を見た。
「…やめて欲しいなら、俺のものになると言え」
奴は切れ長な目つきで私を見てくる。
拒絶を許さないとでも言ってるよう。
でも私は奴のものにだけはならない、なりたくない。
いくら高額なお金を積まれても、不自由のない生活を提供されても。
私は誰のものにもならない。
ただ黙って奴を睨み返す。
それを拒絶と受け取ったのか、奴は私の胸の頂を舐め上げる。
出したくないのに奴を煽るような声が出る。
それに奴は煽られたのか私をまた抱く。
あんなに抱いたのにまだ抱き足りないのかというほどに。
私はまた意識を失うまで、奴に抱かれ続かれた。