あなたのために。-光と影-
籠の鳥
明るい日の光に気づき、目を開ける。
部屋は黒のカーテンだけど、光が若干漏れている。
ギシギシいう腰をゆっくりと上げて起き上がる。
ここは奴の部屋。
結局私は朝まで奴に抱かれ、眠ったのは1、2時間前。
隣を見ると奴はもういなかった。
じゃああれは夢だったのかと思っても、腰の痛みから夢じゃないと痛感する。
部屋を見回す。
部屋は壁以外全て黒で装飾されている。
黒は好きだから、この部屋は嫌いじゃない。
でも奴の部屋だから、好きにはなれない。
そしてふとベッドを見ると、布団の上に男性ものの黒いワイシャツが置いてあった。
シワがないとこを見ると、奴が私に着ろと置いたのだと分かる。
更に黒いワイシャツの上にはジーンズのショーパンが置かれてる。
これも履けと?
奴の意に従うのは嫌だったけど、着替えがないのでそれを身につけた。