あなたのために。-光と影-
ワイシャツはかなり大きくて、ショーパンが隠れてしまう。
だからワイシャツのミニスカートみたいになってる。
まぁ、いいや。
もう帰るだけだから。
既に準備してあった鞄を持ち、ドアを開ける。
部屋を出てすぐの居間の食卓に奴が座っていた。
食卓の上には朝にしては豪華な和風の朝食が置かれていた。
奴は私の服装を見るなり口角を上げた。
「…起きたか。白兎が朝食を持って来た、食え」
奴が指を差したとこには、もう一つ朝食があった。
もしかして白兎さんが作ってくれたのかな?
でも食べる気はさらさらない。
このままさっさと帰るつもりだったから。
「…要らない。もうこれで帰るから」
それだけ言って玄関に向かって歩き出した途端、奴がイスから立ち上がる音がした。
「…お前、その身なりでそれを見せつけて帰るのか?」
私は足を止めて振り返った。
奴の言っている意味が分からない。