あなたのために。-光と影-




嬉しそうにしてるけど、私は全く嬉しくない。




ヤるだけヤって軟禁されてるなんて、誰が嬉しいと思うか。




今日は昨日迷惑をかけた環に会いに行こうと思ってたのに。
行けなくなってしまった。




今頃心配してるかな、ママ、環。




すぐにこんなとこから逃げてやる。
そう決意を固めて私は味噌汁を飲み干した。




用意周到な奴は私の歯ブラシまで用意していて、何か気持ち悪くなりつつも歯磨きをして居間に戻る。




居間に行くと奴は黒い大きなソファに大胆に座りパソコンをいじっていた。




そして私の存在に気づくなり私を見てきた。




「…百合、来い」




私の嘘の本名を口にして、奴は私に手を伸ばす。




自分の本名じゃなかったから一瞬反応できなかったけど、私は奴へと歩き出した。




奴に寄るのは嫌だけど、昨日のような拒絶を許さない目をしてたから仕方なく近寄る。




私が奴の手を取らずにいると、奴が私の手首を掴み私を引き寄せた。




そして私を膝の上に乗せた。
詳しく言えば、奴の左脚の上。



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