あなたのために。-光と影-




百合の頬を優しい手つきで撫でる。
肌は絹のようで、不規則な生活のホステスとは思えないほど。




やっと百合を手に入れた。
まさか殺されかけるとは思わなかったが。




でも俺を殺そうとした女は百合が初めてだ。




百合の首筋についた赤い跡を指で線を引くように触る。




この跡がお前の籠。
お前はその中から出ることはない。




捕まえたからには一生、俺の籠の中で俺の女として生きる。




だからお前を手放すわけにはいかない。
でもお前は逃げるだろうな、俺が仕事でいない間に。




だからこうして俺がいない時は、薬で眠らせてしまう。




そうすれば逃げねぇ。




お前が俺から逃げることは不可能だ、百合。



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