あなたのために。-光と影-




そう思い立った瞬間には、身体は行動を始めていた。




カバンに一度着替えた服やら、装飾品やらを詰め込む。




とにかく早くしないとという気持ちでいっぱいだから服のシワなど気にする余裕もない。




これくらい暗くなれば奴も仕事から帰ってくるはず。




こんなとこから抜け出して、早く環に会いたい。




環に会えば、環の部下のあの子達に協力してもらえるかもしれない。




そしたら私を奴から守ってくれるかもしれない。




あの子達ならやってくれる。
環と同じでとてもいい子達だから。




鞄にベッドの上にあった札束も入れ、寝室から出る。




広い居間を通って、玄関へと向かう。




あと少し、あと少しで外に出られる。




私の足は早歩きから小走りになり、玄関へ向かう。




黒いヒールの靴を履き、玄関のドアを開ける。




外に出れた。
一日だけだったけど、なんとか軟禁から逃れられた。




待ってて、環。
今から行くから…



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