あなたのために。-光と影-
あいつらのことなんかどうでもいい。
今はあの子の安否だ。
きっとお金を条件に奴に抱かれたんだろう。
あの子は今までそうしてたから、今回もそれをやったに違いない。
お金が足りないならあたしが出してやるって言ってるのに。
危ない橋を渡って。
バカだよ、あんた。
店の裏口で煙草を吸う。
あの子のいない店なんてつまんないから、サボる。
するとあたしの所に駆け寄ってくる数人の足音。
…来たか。
「「…環!!」」
金髪の少女と黒髪に赤いメッシュの入った少女が駆け寄ってきた。
「…篠(しの)と弥生(やよい)か。あの子の居場所分かったの?」
あたしのとこにやって来たのはあたしの右腕的存在、金髪が篠で黒髪赤メッシュが弥生。
「やっぱ環の言うとおり、姐さんは蓮条組の本拠地に入ったのを目撃されてる!」
姐さんとは黒百合のこと。
あたしは煙草の煙を吐いた。
やっぱり蓮条 楓にお金のために抱かれたか。
そこまでは分かってた。
あの子の考えることは分かるから。
でも問題は奴、蓮条楓の考えてることだ。