あなたのために。-光と影-




それを回復させられる財力のないお父さんの会社は借金を残して倒産した。




「…その時会社の借金を返すためにお父さんは蓮条穣之介にお金を借りた」




この言葉を発した瞬間、奴の私の背中を摩る手が止まった。




まぁそうなるだろうと予想してた私は言葉を続けた。




「会社の借金を返したって、結局は自分の借金を返さなければいけない。でもその額は簡単に返せる額じゃない」




お父さんがどのくらい借金してたのか知らない。
知ってたのは蓮条穣之介にお金を借りたということだけだった。




それから私と日向が中学一年の時。




日向と私が家に帰ると、お父さんとお母さんは2人並んで首を釣っていた。




「多額な借金から逃げたってこと。それを見た日向がショックからか過呼吸になって、身体的に精神的に病弱になってしまった」




お兄ちゃんもお父さんとお母さんが死んで以来、姿を消した。




埋葬が終わると何も言わずにお兄ちゃんは消えた。



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