あなたのために。-光と影-
陽は酒さえ呑めれば、女の群がるキャバクラだろうがどこだって行く。
そして誰かに奢らせる。
現金な奴だ。
「…おやおや随分浮かない顔ですね、楓。これから楽しいキャバクラだというのに」
俺がいつ楽しいと言った?
少なくともお前の目には俺が楽しそうに見えているのか。
だとしたらすぐに眼科に行け、白兎。
白兎は俺をいじるのが楽しそうに笑ってる。
後で強え酒呑ませてやる。
そんなことを考えていると車は目的地のキャバクラに着いた。
車のドアが開き、降りろと促される。
仕方なく外に出る。
俺の顔を見た女共はすぐに色気づく。
その顔が不快で仕方ねぇ。
こっちを見るなと睨むとビクッと怖がって影に隠れる女共。
それを見てた白兎はクスクス笑ってやがる。
俺は白兎のケツに一発蹴りを入れて、店の中に入った。