あなたのために。-光と影-
そいつの目に惹かれた、強く。
光を持っているが、その光によって影が強くなった目。
こいつだと思った、ただ俺の直感が。
煌びやかな色ではなく黒が似合い、俺に全く興味を持たない女。
俺に興味のないその目に俺だけを焼き付ける。
考えただけでゾクゾクするだろ。
「…おい」
近くにいた男のスタッフを呼ぶ。
男はビクッと反応してゆっくりと近づいて来る。
弱えな、ここの店の男は。
もっと強化するように親父に言わねぇと。
ビクビクしながら男は俺に顔を近づけた。
「…あの女をこっちに連れて来い」
顎であの女を指し示す。
女を見た瞬間、男は申し訳なさそうな顔をした。