大好きなんです。あなたが!!
意外にも、俺は彼女に恋してから彼女のまえでは平常心を保てた。
頑張った俺。
何気に同じ部活でこの恋心を抑えるのに必死だった俺は彼女への告白のことをすっかり忘れていた。
月日がたち、卒業が日に日に迫ってくる。
俺は、彼女に告白することを決めた。
卒業式前日。授業もなく、午前だけであとは帰る予定だった彼女と一緒に帰ることにした。
「明日でもう卒業だね」と彼女。
「うん」と俺。
「もう会わないかもね。家近いけどさ。」と彼女。
「そうだね」と俺。
「みんなと会えなくなるの本当寂しいな。」と彼女。
「うん」と俺。
「ほんとにそう思ってる?(笑)」と彼女。
彼女の家に近づく。
さりげなく彼女の手を握る。
「?」
大丈夫。大丈夫。何度も練習した。必死に俺の気持ちを伝える文章を考えた。
伝えよう。俺の気持ちを。彼女に。
「好きです。由香。あなたのことが。一人の女性として好きです。」
いまでも、彼女の表情を忘れない。