僕らの秘密
しばらくすると、眠っているとばかり思っていた彼女の肩が震えているのに気がついた。

「平沢さん。起きてたんですか?」

恐る恐る呼びかけると、彼女はゆっくりと顔をあげた。

僕は息を呑んだ。顔を上げた彼女は鉄仮面なんかじゃなかった。唇をぎゅっと噛み締め、瞳は涙で潤み、頬はピンク色に染めた、なんとも悩ましげな表情。

「私、弱いのよ。髪の毛触られるのに」

彼女は恥ずかしそうにそう言った。僕はたまらなくなって、彼女を押し倒した。

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