一口チョコレート

冷たくなった手をぐーぱーしながら
何となく不安になって

「海斗、?」

と上目使いに呼び掛ければ

「ん?」

と、答える優しい声。


「.....。」

それっきり続かない会話。

家に帰るのが、嫌で。
お母さんに会うのが、怖くて。
海斗といま別れたら、
会えなくなる気がして不安で。

涙がにじんできた。


「蘭」


泣きそうな私にニッて、笑いかけた海斗。

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