一口チョコレート
「んッ。」
優しくて、優しくて、切なくなるほど
優しいキス
しばらくして唇を離せば
真っ赤になった頬を隠すように
少しうつむく海斗。
「明日、迎えに来る」
「うん、」
「なー、蘭。
今のの、返事はいまはいらない」
「へ?」
意味がわからなくて問い返すと
「蘭の居場所を俺が作れて、
蘭が幸せだと思えたときに、
返事ちょーだい。」
一気にそれをいい終えて
くるっと背をむけて
じゃな。また明日。
と走り出した海斗。