一口チョコレート


「わぁあっ!?」


ビックリして尻餅をついた。

声の主はアハハと笑いながら
こっちを見た。

「どじ。大丈夫?」

笑い足りなかったのか
クスクス笑って手を差し出す、ソイツ。


「人の独り言に答えないでよっ!!」


恥ずかしいやら、パニックだわで
叫んでしまった。


「いんや。俺が聞いてたから
独り言じゃーないな。
強いて言うなら二人言?」

ニヤって笑って差し出した手を無視し続けた
私の腕を握って引き上げる。


「わぁっと…」


私のビックリした声の何がつぼだったのか
クックッとまだ笑う。


いろんな笑いのレパートリーのある人だ。

< 4 / 28 >

この作品をシェア

pagetop