SPRING SNOW~春の雪(はるのゆき)~
〜Yukiside〜

本人は知らなかったのか…

「雪都君も席ここでいいの?」

「ああ、そうしてくれ。秋、アイスコーヒー。」

「はいはい、ご注文ありがとうございます。ちょっと待っててね。」

そういえばこの二人うまくいったんだっけ。

「この二人って付き合ってるのか?」

と春が小声で聞いてくる。

そういえば春は知らないのか。

「そう、秋さんは雪都兄ちゃんの彼女でもあるの。」

「へー。」

「そろそろ私たちはでよっか。」

と春に声をかけて立ち上がる。

「じゃあ、雪都兄ちゃん。私たちのお勘定もよろしくね。」

「は!?なんでだよ!聞いてねえよ。」

だって今言ったもーん。

「わかったわ。雪都君につけとくわね。」

「おい、秋!」

「よろしくね、秋さん。」

「春くんもまた来てね!」

「あ、はい!ごちそうさまでした!」

お店の外に出て、春に声を掛けられる。

「雪、兄さんの扱いが雑だな…」

と笑う春。

「そう?」

「なんか遅くなっちゃったな。送るよ。」

ありがと。といって私たちは歩き始めた。
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