chu to hairs
毎日…観る光景があった。

それは何かの絵のような
懐かしい感じもして
ずっと観ていたような
ずっと観ていたいような

…意識をしないようにしても
意識してしまう光景。

忙しく働く私の前で
ソファーに座って笑ってる泰輔くん。

私は大学の職員として
泰輔くんは大学生として…
4年目を迎えようとしている。

春と呼ぶにはまだ早くて
雪がちらつく時もあった。

泰輔くんと私の関係も…
恋人と呼ぶにはまだくすぐったい
…でも舌を絡めるキスをした。

お互い好きと言葉に言わなくても
惹かれ合っているのも感じて
なんとなく、一緒に居る時もある。

年下の子との恋なんて初めてで
少しだけとまどっていた。

「亜季…誘ってるの?」
と泰輔くんは聞いてきた。

大学じゃない場所…私の部屋で
私が泰輔くんに寄りかかって
頭をこつんと肩に置くと…よく
泰輔くんはこの言葉を発する。

私は静かに泰輔くんを観る。
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