chu to hairs
息がかかるかかからないか…
近くの距離のまま…
あまり長くない私の髪を
耳にひっかけられた。

「泰輔くんを誘ってるの。」

飲みたくなる。
私にとってのミルクたっぷりのコーヒー。

「じゃあ…俺のコト、
好きだって言ってみ?」

キスするのかと思ってたのに
この言葉を声にしたことないのに
…簡単に言えるわけないよ。

しかも、年下の男の子に…。
大学生で未来ある泰輔くんに
言ってもいい言葉なのかと
ずっと考えていた。

それなら、キスくらい、簡単だった。

「亜季…言ってみ?」

「言ったら…泰輔くんは…
私のものになってくれるの?」

やっぱり少し臆病になる。
年齢を重ねるってもっと
素敵なことだと思っていたのに

泰輔くんが居なくなることが
臆病になってる。

「俺は亜季のものにならないよ。
…亜季が俺のものになるんだ。

亜季を…誰にも渡したくない。」
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