大好きなんです
そして聞こえるため息。
うーん……なんかリアルだなぁ。
「萌、寝惚けてるの?」
「………へ?」
寝惚ける?
これは夢の中だよね?
「それとも……誘ってる?」
耳元で聞こえた甘い囁きにビクン、と体が揺れると同時に熱くなる。
ま、って………
これは夢?それとも現実?
どどど、どっち!?
覚醒していく頭の中、今までのことを思い出してカアァ、と顔が熱くなる。
これが現実のことなら、あたし………!!
「萌……?」
「……っ、」
だ、だめ……!!
今、顔見られたくないっ!!
ぎゅっと抱きしめる腕に力を入れるけど、この体勢もかなり恥ずかしい。
霧谷くんの手があたしの腰に回っているから、密着度が……
うあぁ〜〜っ、どうすればいいのぉっ!!
あわあわするあたしの耳に、くすり、と霧谷くんの笑う声が聞こえた。
「萌……」
「き、きりやく……ひゃっ…」
名前を呼ばれたかと思えば、耳元に感じた温もり。
更にちゅ、という音に耳にキスされてるんだと分かった。
「や、やめっ……ひゃぅっ」
く、くすぐったい…っ
でもでも!
この腕を離したら今の顔が見られちゃうっ!!
それはものすごく恥ずかしい!!
だって夢と勘違いして抱きついちゃったなんて……
恥ずかしくて絶対に言えないよぉっ!!
ぎゅっと抱きついたまま、霧谷くんのキスを受け入れる。
ときどき漏れてしまう声が自分のものじゃないみたいで、顔から火が噴くんじゃないかと思うぐらい恥ずかしい。
うぅ……恥ずかしすぎて今なら死ねる。