大好きなんです

流side





俺の腕の中で、穏やかな寝息をたてている萌の頭をさらりと撫でた。


起きる気配のない萌。


ちょっとやりすぎたか……


萌は初めてだから優しくしたいと思っていたのに、俺自身も最後は余裕がなくて。



「萌には無理させたな……」



でも、ずっと好きで好きで。


萌が欲しくてたまらなくて。



昨日も萌に忠告したし我慢もした。


萌の心の準備ができるまでは、と思っていたのに……










――――――――――――――――――
――――




風呂上がり、上の服をわざと忘れて部屋に向かうと萌がいて。


てっきり寝ているのかと思っていたのに萌が起きていたので内心びっくりした。


心の中で我慢我慢と唱えながら服を探していると不意に抱きしめられて。


萌の体から伝わるぬくもりと柔らかさ。


近くで感じる甘い香り。


脳が一気にグラリと揺れて。



理性を保てという方が難しかった。



今までの我慢がその分弾けとんだかのように、俺は萌を求めた。



震える萌に触れて。


何度も名前を呼んで。


意識を飛ばしそうになりながら、必死についてこようとする萌にキスをして。



「んっ、な、がれ……っ、」


「……、なに?」



その痛みに涙を浮かべる萌の頬にそっと手を添える。


そうすると幸せそうにふわりと笑って。



「すきっ……流が、だいすき……っ!!」


「……っ、」



そんなこと言われたら、



「抑え効かないって、言ったのに……っ」



激しくなる動きに萌は俺の体にすがり付くように腕を回す。


小さく甘い声を上げて、萌は意識を失った。












―――――――――――――――――
――――




「萌は、簡単に俺を崩すな……」



チュ、と目元にキスをすると萌は小さく身動ぎをする。


そんな姿に思わず笑みが浮かんだ。


抱く腕の力を強くすると、萌が俺のところにいるんだと認識できて安心する。


きっと、こういう穏やかで満ち足りた気持ちが幸せって言うんだろうな。


こんな気持ちになれるのは、萌のおかげだ。


ありがとう、萌……




「愛してる」




小さく囁いて俺はキスを落とした。







Fin.





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