大好きなんです
流side
「陸真のやつ、まだ来ないのかよ……」
はぁ、とため息をつく。
放課後、図書室に来てほしいなんて言うから教室に萌を待たせてまできたのに……
いい加減に帰るか。
すでに俺が教室を出てから三十分はたっていた。
「あれ、萌?」
教室に戻ると誰もいなくなっていた。
「萌……?」
先に帰ったのか……?
いや、萌に限ってそんなことはないだろう。
鞄に入っていたケータイを見ると萌からのメールはなく、代わりに陸真からのメールがあった。
「あいつ……」
俺を呼び出しておいて何をやってるんだよ。
少し苛々しながらメールを開く。
「…………は?」
なんだ、この内容……
読むや否や、俺は鞄を手に取り走って学校を出た。
―――――――――――
はろ〜〜流!
突然だけど、桃ちゃんは預かりました☆
返してほしかったら駅の近くにあるカラオケボックスに来てね(ゝω・´★)
P,S
はやくしないと桃ちゃんお持ち帰りされちゃうぞ〜〜(笑)
―――――――――――
「あんのやろ……」
ふざけんな!
何がお持ち帰りだ。あいつら何やってるんだよ。
萌は……萌は大丈夫なのか?
「あぁ、くそっ」
眼鏡と前髪が邪魔だ。
乱暴に眼鏡を外し胸ポケットに入れる。
周りからの視線を感じたが、今はそんなことを気にかけている余裕はない。
「萌………」
カラオケボックスが見えたときは本気で安心した。