大好きなんです
流side
「萌?」
声をかけるが返事がない。
どうしたんだろう、と思い顔を覗きこもうとすると、萌の体は力が抜けたようにふらりと倒れそうになる。
「萌!?」
焦って呼びかけると穏やかな息遣いが聞こえた。
………寝てるな、これ。
「普通寝るか?」
まぁ、萌らしいか。
起こさないように、俺は一度萌を抱き上げてから床に座った。
丁度俺の足の間にすっぽりと入る萌。
……小さいな。
しばらくそのまま萌の寝顔を見ていると授業のチャイムが鳴る。
起こした方がいいか…?
そう考えるが、気持ち良さそうに寝ている萌を起こすのも気が進まないし、何よりまだ俺が萌といたい。
「……きりや…くん…」
きゅっ、と少し服をつかまれる。
起きたのかと思ったが、まだ萌はすやすやと寝ている。
「……可愛いすぎ」
そっと寝ている萌の唇にキスしたのは、俺だけの秘密にしておこう。
Fin.