大っ嫌いにさよならを
学生達で賑わうファストフード店。
そこに俺は居た、というより連れてこられた。
しかも何故か向かい側には天津茉莉奈がいて、俺と茉莉奈からほど近い席には鉄之助と将が二人でシェイクを飲んでいるという奇妙な構図だ。
俺の奢りで買ったコーラをちびちび飲む茉莉奈は、黙ってばっかりだ。
俺は俺で何を話せばいいのか分からず、ポテトを食べてこの沈黙にたえる。
横目で鉄之助を窺うと、つまらなさそうに携帯をいじっていた。
将は机に教科書とノートを広げていて、こちらの長期化を予測していたようだ!
いや、それなら無理にこの場をセッティングしなくても…。
なにより、こいつらがぐるだったという事が悲しいよ。そんな素振りを一つも見せなかったではないか、鉄之助さえも。
全部、茉莉奈が仕掛けた罠だったんだ。
…てか、このポテト焦げすぎ。絶対これアルバイトの新人が作っただろ。
ジュース頼めば良かったな。…と思って茉莉奈がちびちびとコーラを飲んでいる姿を見てみる。